内容紹介
三代続く茶道の家に生まれた高橋謙信はバイト先で見知らぬ美少女・小町から「早死にすると」告げられる。
祖母からの電話でとある民家に茶事を行いに訪れるのだが、そこには民俗学の研究をしている鈴木という男がいた。普通ではない決め事の元行われる茶事に訪れたのは人ではないモノだった。妖しい鈴木と出会い、不可思議な事象に巻き込まれていく謙信。鈴木を嫌う小町。三人が出会い彼岸と此岸の狭間で起こる怪奇譚が幕を開ける
コメント
このシリーズ以外は女性向け作品を描いている作家なのでこのWEBを見ている大半の人には縁のない作家でしょう。だが、これは男性にも、寧ろ男性に是非とも読んで欲しいと力強くオススメしたい作品です。恐怖ではなく、ちょっと怖くもそこに人の悲しい想いが詰まっているような怪奇話が好きな人には特に読んで欲しいです。
長い時間をかけてある呪術を成功させようとしている鈴木。それを阻止しようとしている小町。偶然か必然か巻き込まれてしまう謙信。死者からの電話、人でないモノとの茶事、願いを叶える箱など呪術に翻弄されてアタフタしている謙信をヤンデレ小町が文句を言いながら解呪するそんな関係が微笑ましくて楽しいのですよ。ウスバツマネガも可愛いと思ってしまったらもうダメです。
2巻として「僕と彼女と先輩の話」が発売されましたが、この作品は「俺と彼女と先生の話」の前の話でなぜ鈴木が呪術をしようとしていたのかが判る話になっています。むしろ「僕と彼女と…」から先に読んだ方が謎がわかりやくていいかもしれません。